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施工管理技士と監理技術者の違い|配置要件を解説

施工管理技士と監理技術者の違い|配置要件を解説

混同されやすい「施工管理技士」と「監理技術者」

「施工管理技士」と「監理技術者」は密接に関連していますが、そもそもの性質が異なります。施工管理技士は資格の名称であり、監理技術者は建設業法で定められた現場配置の役割です。

この違いを正確に理解することは、建設業法を遵守した適切な現場運営に不可欠です。

それぞれの定義

用語定義根拠法令
施工管理技士国土交通大臣が認定する国家資格。1級と2級がある建設業法第27条
監理技術者元請の特定建設業者が配置する現場の技術責任者建設業法第26条第2項
主任技術者すべての建設業者が配置する現場の技術責任者建設業法第26条第1項
専任技術者建設業の営業所に常勤する技術者建設業法第7条・第15条

配置要件の全体像

現場に配置が必要な技術者

工事の条件配置する技術者備考
すべての工事主任技術者建設業法上、下請・元請問わず必須
元請で下請合計額4,500万円以上監理技術者主任技術者に代えて配置
公共性のある施設等で4,000万円以上専任の技術者他の現場との兼任不可

営業所に常勤が必要な技術者

建設業の種類配置する技術者資格要件
一般建設業専任技術者2級施工管理技士等
特定建設業専任技術者1級施工管理技士等

資格要件の比較

主任技術者になれる資格

資格・要件備考
2級電気工事施工管理技士第一次検定合格で「技士補」、第二次検定合格で「技士」
1級電気工事施工管理技士主任技術者としても配置可能
第一種電気工事士免状取得後の実務経験は不要
実務経験10年以上電気工事業に10年以上従事
学歴+実務経験指定学科卒業+所定の実務経験年数

監理技術者になれる資格

資格・要件備考
1級電気工事施工管理技士最も一般的な取得方法
技術士(電気電子部門)技術士試験の合格者
国土交通大臣の認定者特別な実績を持つ技術者

2級施工管理技士では監理技術者にはなれません。 これが1級と2級の最も大きな違いです。

役割の違い

主任技術者の役割

役割内容
施工計画の作成施工計画書の作成・管理
工程管理工程表に基づく進捗管理
品質管理品質管理計画の実施
安全管理現場の安全確保、安全衛生計画の実施
技術的指導作業員への技術的な指導・監督

監理技術者の役割(主任技術者の役割に加えて)

追加の役割内容
下請業者の指導監督下請の施工計画・安全管理を確認・指導
総合的な施工管理複数の下請業者間の工程・品質の調整
施工の技術上の管理高度な技術判断を伴う施工管理
元請としての責任工事全体の品質・安全に対する最終責任

専任要件と兼任の制限

専任が必要な場合

条件金額基準
公共性のある施設の工事4,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)
公共性のある施設とは国・地方公共団体の施設、学校、病院、鉄道、電気事業用施設等

専任の技術者の制限

制限事項内容
他の現場との兼任原則不可
営業所の専任技術者との兼任原則不可
現場への常駐専任期間中は当該現場に常駐

ただし、以下の場合は兼任が認められる場合があります。

兼任が認められるケース条件
工事の規模が小さい場合密接な関連のある複数の工事を同一業者が施工
工事現場が近接している場合移動が容易な距離にある
1級技士補の補佐監理技術者の補佐として1級技士補を配置した場合、監理技術者の兼任が可能

監理技術者補佐の制度

2020年の建設業法改正により、監理技術者補佐の制度が導入されました。

項目内容
配置要件1級電気工事施工管理技士補(第一次検定合格者)
効果監理技術者が2つの現場を兼任できる
条件補佐を配置した現場には補佐が専任

この制度により、1級の第一次検定に合格した「1級技士補」の活用の幅が広がりました。

違反した場合のリスク

違反内容リスク
技術者を配置しない建設業法違反。監督処分(営業停止等)の対象
無資格者を配置同上。経営事項審査にも影響
専任義務違反同上。公共工事の指名停止処分の可能性
虚偽の届出刑事罰の対象になる場合がある

建設業法の遵守は、企業の信頼性と継続性に直結します。建設業許可の維持にも技術者の配置は密接に関わっています。

まとめ

施工管理技士は「資格」、監理技術者・主任技術者は「現場の役割」です。1級施工管理技士は監理技術者と主任技術者の両方になれますが、2級施工管理技士は主任技術者にしかなれません。

この違いを理解した上で、1級施工管理技士の取得を目指すことが、キャリアアップの確実な道筋です。また、2級施工管理技士は主任技術者として現場に配置される最初のステップとなります。

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