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分電盤の設置高さと設置基準|内線規程・バリアフリー基準を解説

分電盤の設置高さと設置基準|内線規程・バリアフリー基準を解説

分電盤の設置高さに関する基準の全体像

分電盤の設置高さには、内線規程・バリアフリー法・各種設計基準が関わります。法定の「最低基準」と、使い勝手・バリアフリーを考慮した「推奨基準」の両方を把握することが重要です。

根拠対象高さの規定
内線規程(JEAC8001)主開閉器・分岐開閉器の操作部床上 1.8m 以下(推奨)
バリアフリー法(整備基準)特定建築物の開閉器操作部床上 0.4m〜1.2m に操作部が来るように設置
消防法・建築基準法防災設備用分電盤個別規定による(非常用電源は床上 0.3m 以上)
公共建築工事標準仕様書官公庁建築盤中心 1.5m 程度

内線規程が定める設置高さ

内線規程(JEAC8001)は、電気工事の自主規制基準として業界で広く採用されています。分電盤に関しては以下の考え方が基本です。

操作部の高さ

操作部の種類推奨高さ
主幹ブレーカー操作部床上 1.4m〜1.8m
分岐ブレーカー操作部床上 1.0m〜1.8m
下端(最低分岐ブレーカー)床上 0.3m 以上

ポイント:

  • 1.8m を超えると通常の成人でも操作しにくくなるため、主要な操作部は 1.8m 以下に収める
  • 盤が縦に長い場合、下端のブレーカーが床面に近くなりすぎないよう注意する

バリアフリー法の要件

高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の整備基準では、特定建築物において電気設備の操作部に高さ制限が設けられます。

対象建築物

バリアフリー法の特定建築物(2,000㎡以上の不特定多数が利用する建物)では、利用者が直接操作する開閉器・スイッチ類に以下の基準が適用されます。

基準数値
操作部の下端床上 0.4m 以上
操作部の上端床上 1.2m 以下

実務上の注意点:

  • テナント用分電盤(テナント自身が操作するもの)は対象になりやすい
  • 共用部の主幹分電盤は管理者のみが操作するため対象外となるケースが多いが、設計段階で確認が必要

用途別の設置高さの目安

住宅用分電盤

設置パターン推奨高さ(盤中心または主幹操作部)備考
玄関・廊下の壁掛け1.5m〜1.8m子どもの手の届かない高さ
洗面所設置1.5m〜1.7m湿気対策で防湿型を選定
収納内埋め込み1.4m〜1.7m扉を開けて操作できること

オフィス・商業施設用分電盤

設置パターン推奨高さ備考
テナント室内1.4m〜1.7m(盤中心)バリアフリー基準を適用
電気シャフト内1.2m〜1.8m(主幹操作部)専門家のみが操作する場合は柔軟
廊下(共用部)1.5m 程度(盤中心)他の設備との干渉に注意

工場・倉庫用分電盤

設置パターン推奨高さ備考
壁掛け動力分電盤1.5m〜1.8m(主幹操作部)重量物のため固定強度を確認
柱取り付け1.4m〜1.7m振動を受ける場合は防振取付け
屋外設置(防雨型)1.5m 程度排水のため下部に水抜き穴

操作スペースと離隔距離

盤の前面には、安全に操作できるスペースを確保する必要があります。

基準必要寸法
盤前面の操作スペース幅 0.6m 以上、奥行き 0.8m 以上(内線規程推奨)
高圧受電設備の場合幅 1.0m 以上(電気設備技術基準)
盤上部の離隔点検作業のため 0.3m 以上確保を推奨
盤側面の離隔ケーブル引き込みのため 0.1m〜0.2m 以上

よくある施工上の注意点

壁への固定

注意点内容
アンカーボルトコンクリート壁はアンカー打込み、木造壁は下地材の確認
盤の自重大型の動力分電盤は 30〜50kg を超えるため、下地の補強が必要
防火区画の貫通ケーブルの壁貫通部には防火措置(耐火区画貫通処理)が必要

ケーブルの引き込み方向

分電盤のケーブル引き込みは、上部から入れるか下部から入れるかで施工性が変わります。盤の仕様(上部・下部入線スペース)を発注前に確認します。


まとめ

分電盤の設置高さは「内線規程」「バリアフリー法」「用途」の3つの観点から検討します。

  • 原則: 主幹操作部は床上 1.4m〜1.8m に収める
  • バリアフリー対象建物: 利用者が操作する部分は床上 0.4m〜1.2m の範囲に
  • 操作スペース: 盤前面に幅 0.6m・奥行き 0.8m 以上を確保

分電盤の回路数・主幹容量の設計方法はこちら  内線規程の施工ポイントはこちら

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