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仮設分電盤の選定と点検表|現場で使うチェックリスト

仮設分電盤の選定と点検表|現場で使うチェックリスト

仮設分電盤とは

仮設分電盤は、建設工事期間中に工事用電力を各設備・機器へ供給するために設置される一時的な分電盤です。本設分電盤と異なり、工事の進捗に合わせて移設・増設を繰り返す点が特徴です。

労働安全衛生法および電気設備技術基準により、仮設電気設備は漏電遮断器の設置が義務付けられており、定期的な点検が必要です。


仮設分電盤の種類

形状による分類

種類特徴主な用途
箱型(ボックス型)スチール製・鍵付き扉。標準的な現場で最も多く使用大規模建築・土木工事全般
パネル型開放型のため点検しやすいが、雨天時の養生が必要屋内工事・電気室内の一時設備
移動型(台車付き)キャスター付きで移動が容易仕上げ工事期の工区移動が多い現場
防雨型ボックスIP44以上の防水性能。雨ざらし設置に対応屋外・地下・雨の多い現場

容量による分類

容量区分主幹容量の目安代表的な用途
小型30〜60A小規模工事・仕上げ工事(電動工具数台)
中型100〜200A中規模建築工事(タワークレーン・溶接機)
大型400A〜大規模施工(大型揚重機・複数のタワークレーン)

仮設分電盤の容量選定

負荷の洗い出し

容量選定は接続する機器の定格電流の合計から行います。

機器定格電流の目安相・電圧
小型電動工具(ドリル・サンダー等)5〜15A/台単相100V
溶接機30〜50A/台三相200V or 単相200V
コンプレッサー(小型)15〜20A三相200V
タワークレーン100〜200A三相200V
照明器具(蛍光灯・LED)1〜3A/台単相100V
高所作業車の充電20〜30A単相100V

需要率の考え方

すべての機器が同時に最大電流で動作することはないため、需要率を乗じて算出します。

工事の種類需要率の目安
躯体工事(複数機器の同時稼働が多い)0.7〜0.9
仕上げ工事(単発機器の使用が中心)0.5〜0.7
電気・設備工事単独0.4〜0.6

選定容量の計算例(躯体工事):

合計定格電流 200A × 需要率 0.75 = 150A → 主幹 200A の中型仮設分電盤を選定


漏電遮断器の選定

電気設備技術基準第36条では、工事用仮設電路には漏電遮断器の設置が求められています。

感度電流の選定

使用環境推奨感度電流
一般工事現場(土・水濡れなし)30mA
湿潤・水気のある環境(地下・雨天施工)15mA
金属製構造物上や水中での作業15mA(または漏電遮断付き GFCI コンセント)

動作時間

区分動作時間
一般型0.1秒以内
高速型0.1秒未満(湿潤場所では高速型を推奨)

仮設分電盤の設置基準

項目基準・注意点
設置場所浸水しない場所。車両・揚重機の走行ルートから離す
設置高さ盤下端を地面から 0.3m 以上確保(泥水対策)
固定方法転倒防止のための単管・アンカーによる固定
施錠関係者以外が操作できないよう鍵付きボックスを使用
表示「電気危険」「関係者以外立入禁止」の表示板を掲示
接地D種接地(100Ω以下)を適切に施工

日常点検チェックリスト

以下のチェックリストを現場に掲示・活用してください。点検頻度は毎日(作業開始前)を基本とします。

【毎日 作業開始前】点検チェックリスト

仮設分電盤 日常点検表
現場名:________________  点検者:________________  点検日:____年__月__日

□ 1. 盤の周囲に可燃物・障害物がないか
□ 2. 盤の扉・錠前に異常(変形・破損・開放放置)がないか
□ 3. 盤内への浸水・結露がないか
□ 4. ケーブルの接続部に異常(発熱・焦げ跡・断線)がないか
□ 5. 漏電遮断器のテストボタン動作確認(週1回以上)
□ 6. 接地線の接続に緩みや断線がないか
□ 7. 分岐ブレーカーのトリップ(遮断)状態がないか
□ 8. コンセントの変形・亀裂・焼損がないか
□ 9. 仮設電線(ドラムコード等)の被覆損傷がないか
□ 10. 盤の近傍に水たまり・浸水がないか

点検結果:  □ 異常なし   □ 要対応(内容:________________)

【週1回以上】精密点検チェックリスト

点検項目確認内容判定基準
漏電遮断器テストボタンテストボタン押下でトリップすることトリップしない場合は交換
端子の緩み主幹・分岐ブレーカーの端子ネジ緩みがないこと
絶縁抵抗(簡易)メガーによる幹線の対地抵抗0.1MΩ以上(低圧)
接地抵抗接地極の抵抗値D種:100Ω以下
漏電遮断器の感度クランプ式漏電計での測定設定感度電流値以内

感電事故防止のポイント

仮設電気設備が原因の感電死傷事故は、建設業の電気事故の主要原因の一つです。

リスク要因防止対策
電線被覆の損傷使用前の目視点検・定期的な交換
濡れた手・足での操作絶縁手袋・絶縁長靴の着用を義務付け
無資格での盤内作業盤内の配線は電気工事士が行う
過負荷による発熱定格容量を超えた接続をしない
漏電遮断器バイパスバイパス配線を絶対に行わない

まとめ

仮設分電盤の安全管理は、接続機器の負荷計算→適切な容量選定→漏電遮断器の設置→毎日の点検という一連の流れで行います。

  • 選定: 需要率を考慮した主幹容量の計算と、使用環境に合わせた漏電遮断器の感度選定
  • 設置: 浸水・転倒防止・施錠・接地の徹底
  • 点検: 毎日の目視点検 + 週1回のテストボタン確認・端子点検

電線・ケーブルの選定方法はこちら  絶縁抵抗測定の方法はこちら

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