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ISO9001取得で変わった品質管理と社内意識|P総合電設株式会社様

ISO9001取得で変わった品質管理と社内意識|P総合電設株式会社様

導入前の課題

P総合電設株式会社様(従業員35名・福岡県)は、公共施設・商業施設・マンションの電気設備工事を幅広く手掛ける会社です。品質管理に以下の課題を抱えていました。

  • 品質管理の方法が現場監督によってバラバラで、統一されたルールがなかった
  • 施工品質に対するクレームが年に5〜6件発生し、手直し工事のコストが嵩んでいた
  • 公共工事の工事成績評定で、品質に関する項目の点数が伸び悩んでいた
  • 大手ゼネコンの協力会社として指名されるためには、ISO認証が事実上の条件になっていた
  • 社員の品質意識が低く、「検査さえ通ればいい」という風潮があった

「品質のクレームが来るたびに、手直しに行って、お客さんに謝って。その繰り返しでした。根本的に品質管理の仕組みを変えないと、この先やっていけないと思いました。」

— P総合電設株式会社 代表取締役 藤井様

導入/改善の経緯

ISO9001(品質マネジメントシステム) の認証取得に取り組みました。外部コンサルタントの支援を受けながら、約10ヶ月で認証を取得しています。

取得までのスケジュール

時期内容
1〜2ヶ月目外部コンサルタントを選定。現状の品質管理体制を分析
3〜4ヶ月目品質マニュアル・手順書を作成。品質目標を設定
5〜6ヶ月目全社員への研修を実施。新しい品質管理ルールの運用を開始
7〜8ヶ月目内部監査を実施。不適合事項を是正
9ヶ月目外部審査(ステージ1審査)
10ヶ月目外部審査(ステージ2審査)。認証取得

取得にかかったコスト

項目概算コスト
コンサルタント費用約150万円
審査費用(初回)約50万円
マニュアル作成の人件費(実質)約100万円相当
社員研修の費用(実質)約30万円相当
合計約330万円

活用のポイント

  1. 施工チェックリストの標準化: 工種ごとの施工チェックリストを作成し、全現場で統一的に品質確認を実施。「誰がやっても同じ品質」を目指す仕組みを構築
  2. 不適合管理の仕組み化: 品質上の問題が発生した場合、原因分析→是正処置→効果確認のサイクルを回す仕組みを導入。同じ問題の再発を防止
  3. 顧客満足度の調査: 完工後に発注者にアンケートを実施し、満足度を数値化。改善ポイントを次の工事に反映
  4. 年1回の管理レビュー: 経営層が品質目標の達成状況を確認し、次年度の目標を設定。PDCAサイクルを経営レベルで回す

主な品質チェックリスト

工種チェック項目数主なチェック内容
配管工事15項目支持間隔、曲がり半径、防火区画貫通部の処理
配線工事12項目配線の色分け、端末処理、ケーブルの傷の有無
器具取付10項目取付高さ、水平・垂直の確認、接地の接続
盤内配線14項目結線の確認、トルク値の記録、ラベル表示
検査・試験18項目絶縁抵抗、接地抵抗、回路確認

導入後の成果

項目取得前取得後
品質クレーム件数年5〜6件年1〜2件
手直し工事のコスト年間約200万円年間約50万円
工事成績評定(品質項目)平均65点平均75点
大手ゼネコンからの指名2社5社
社員の品質意識(5段階)2.54.0
経審W点への加点なし+10点

ご担当者様の声

「ISOを取って一番変わったのは、社員の意識です。以前は『検査が通ればOK』だったのが、今は自分の施工をチェックリストで確認してから次の工程に進むのが当たり前になりました。品質クレームが減ったのはその結果だと思います。」

— P総合電設株式会社 代表取締役 藤井様

「大手ゼネコンさんから『ISO持っているなら安心だね』と言われて指名していただけることが増えました。認証取得のコストは2年で回収できました。」

— P総合電設株式会社 営業部長 野口様

「最初は書類が増えて面倒だと思っていましたが、チェックリストを使うようになってから、自分の施工に自信が持てるようになりました。確認漏れがなくなるので、手直しで現場に戻ることがほとんどなくなりました。」

— P総合電設株式会社 現場監督 田村様

まとめ

ISO9001の認証取得により、品質クレームを年5〜6件から1〜2件に削減。大手ゼネコンからの指名も増え、受注の幅が広がりました。ISO取得のコスト(約330万円)は、手直し工事の削減と新規受注の増加により2年以内に回収。品質管理の仕組み化は、会社の信頼と利益の両方を高めます。

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