電気設備工事 業務改善Navi
施工計画書約10分で読めます

施工計画書の品質が工事成績評定に与える影響と対策

施工計画書の品質が工事成績評定に与える影響と対策

工事成績評定とは

工事成績評定は、公共工事の完了時に発注者が工事の品質を点数で評価する制度です。100点満点で評価され、この点数が次回以降の入札での指名や総合評価方式の技術点に直結します。

つまり、工事成績評定の点数が高い企業ほど、将来の公共工事を受注しやすくなる仕組みです。

評定点の分布

国土交通省の調査によると、工事成績評定の平均点は約75点です。

評定点評価割合の目安
80点以上優良工事上位10〜15%
75〜79点良好40〜50%
70〜74点普通30〜40%
65〜69点やや不十分5〜10%
65点未満不十分数%

80点以上の「優良工事」 に選ばれると、表彰の対象となり、企業の実績としてアピールできます。

評定項目の構成

大項目評定者配点
施工体制監督員
施工状況監督員
出来形・出来栄え監督員+検査官
工事特性(加点項目)監督員
創意工夫(加点項目)監督員
社会性等(加点項目)監督員

施工計画書が影響する評定項目

施工計画書の品質は、以下の評定項目に影響を与えます。

1. 施工体制

施工計画書に記載された施工体制(技術者配置、品質管理体制、安全管理体制)が、実際に現場で機能しているかが評価されます。

施工計画書に体制を記載するだけでなく、その体制が現場で運用されている証拠(記録、写真、報告書)を残すことが重要です。

2. 施工状況

施工計画書に記載された工程計画、品質管理計画、安全衛生計画が、計画どおりに実施されているかが評価されます。

  • 工程の遅延なく進行しているか
  • 品質管理の検査を計画どおり実施しているか
  • 安全活動を計画どおり実施しているか

3. 創意工夫(加点項目)

施工計画書に「自社の創意工夫」を記載し、それを実施することで加点を得られます。これは65点の基本点に上乗せされる項目なので、高評価を狙うには重要です。

評点アップのための施工計画書の書き方

ポイント1: 具体的な数値目標を設定する

抽象的な目標ではなく、測定可能な数値目標を設定し、達成結果を記録します。

❌ 「品質の確保に努める」
✅ 「絶縁抵抗は基準値の1.5倍以上を目標とし、全回路で0.15MΩ以上を確保する」
❌ 「安全に配慮する」
✅ 「月間の不安全行動指摘件数をゼロに維持し、KY活動の実施率100%を目標とする」

ポイント2: 自主検査の充実

発注者の検査を受ける前に、社内の自主検査を体系的に実施することが高評価につながります。

検査段階実施者内容
工程内検査作業担当者各作業完了時の自己チェック
社内検査品質管理担当者検査項目に基づく計測・確認
発注者検査監督員段階確認・立会検査

自主検査の結果は記録として残し、検査で不合格が出た場合の是正処置も記録します。

ポイント3: 創意工夫の提案

施工計画書に以下のような創意工夫を記載し、実施した結果を報告することで加点を狙えます。

品質向上の工夫

  • 基準値を上回る管理目標の設定と達成
  • デジタル計測器によるデータの自動記録・トレンド管理
  • 過去の不具合事例を反映した予防処置の実施

安全の工夫

  • VR・動画を活用した安全教育の実施
  • ヒヤリハット情報の全現場共有システム
  • 独自の安全パトロールチェックシートの運用

環境配慮の工夫

  • 建設廃棄物のリサイクル率の目標設定と達成
  • エコ材料(EMケーブル等)の積極的な採用
  • 省電力型仮設照明(LED)の全面採用

地域貢献

  • 現場周辺の清掃活動の実施
  • 地元企業・人材の積極的な活用
  • 工事見学会の実施

ポイント4: 写真記録の充実

工事写真は、施工計画書の記載内容が「実際に実施された」ことの証拠です。

  • 品質管理の検査写真を漏れなく撮影
  • 安全活動(KY活動、安全パトロール)の実施写真
  • 創意工夫の実施状況の写真
  • 環境対策(分別、清掃)の実施写真

ポイント5: 報告書の丁寧な作成

段階確認や立会検査の結果報告書を丁寧に作成し、検査結果だけでなく管理値との比較トレンドの分析を含めると、品質管理の意識の高さが伝わります。

工事成績評定の振り返り

評定結果の活用

工事完了後に受け取る工事成績評定の結果を、次の工事の施工計画書に活かすことが重要です。

  1. 評定結果の確認: どの項目で減点されたか、加点されたかを確認
  2. 改善策の検討: 減点項目に対する改善策を施工計画書のテンプレートに反映
  3. 成功事例の横展開: 加点された取り組みを他の工事にも展開

発注者とのコミュニケーション

工事成績評定の結果について、可能であれば監督員に評価のポイントや改善点を聞くことも有効です。発注者が何を重視しているかを理解することで、次回の施工計画書の品質を向上させることができます。

まとめ

工事成績評定は、施工計画書の段階から意識して取り組むことで向上させることができます。具体的な数値目標の設定、自主検査の充実、創意工夫の提案と実施、写真記録の充実。これらを施工計画書に盛り込み、確実に実行することが、75点の壁を超えて80点以上の優良工事を獲得する近道です。

施工計画書は「提出して終わり」の書類ではなく、工事の品質を高めるための「行動計画」です。その意識で作成に臨むことが、結果として工事成績評定の向上につながります。

あわせて読みたい

関連記事