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電気工事の仮設計画書の書き方|仮設電源・照明の計画

電気工事の仮設計画書の書き方|仮設電源・照明の計画

仮設計画書とは

仮設計画書は、施工計画書の中で工事期間中に必要な仮設設備の設置計画を記載するセクションです。電気設備工事では、仮設電源と仮設照明が特に重要であり、工事の安全性と作業効率に直結します。

施工計画書全体の作成方法については「電気設備工事の施工計画書 作成ガイド」を参照してください。

仮設電源の計画

仮設電源の種類

種類概要適用場面
電力会社からの仮設引込工事用として電力会社に申請し、仮設の引込を行う長期工事、大容量が必要な場合
既設設備からの分岐既存の受変電設備から工事用電源を分岐する改修工事、既設建物内の工事
発電機ディーゼル・ガソリン発電機を設置電源がない現場、屋外工事
蓄電池・ポータブル電源小型のバッテリー電源短時間の小規模作業

仮設電源の容量計算

仮設電源の容量は、同時に使用する電動工具・照明・設備の合計消費電力から算出します。

算出手順

  1. 使用する電動工具・設備を洗い出す
  2. 各機器の消費電力を確認する
  3. 同時使用率を考慮して合計電力を算出する
  4. 余裕率(20〜30%)を加算する

計算例

機器台数消費電力同時使用率実使用電力
電動ドリル3台700W×360%1,260W
ディスクグラインダー2台1,000W×240%800W
仮設照明10台100W×10100%1,000W
ケーブル延線機1台2,000W30%600W
その他(充電器等)500W
小計4,160W
余裕率(30%)1,248W
必要容量5,408W ≒ 5.5kVA

この場合、最低5.5kVA以上の仮設電源が必要です。

仮設分電盤の構成

仮設分電盤には以下の保護装置を設置します。

  • 漏電遮断器(ELB): 感度電流30mA以下、動作時間0.1秒以下
  • 配線用遮断器(MCCB): 回路ごとに設置
  • 接地: D種接地工事(接地抵抗100Ω以下)

重要: 仮設電源のすべての回路に漏電遮断器を設置することは、感電事故防止の観点から必須です。

仮設配線の安全対策

  • ケーブルは通路上を横断させない(やむを得ない場合は保護カバーを設置)
  • 水濡れのおそれがある場所では防水型コンセントを使用
  • ケーブルの許容電流を超えないよう、使用器具の容量に合ったケーブルを選定
  • 仮設配線の定期点検(絶縁抵抗測定を週1回以上実施)

仮設照明の計画

必要照度の基準

工事現場の照度基準は、労働安全衛生規則で以下のように定められています。

作業の区分必要照度
精密な作業300ルクス以上
普通の作業150ルクス以上
粗な作業70ルクス以上
通路・階段20ルクス以上

電気工事では、配線の色別確認や端子台への結線など精密な作業が多いため、作業エリアでは300ルクス以上の照度を確保することが望ましいです。

照明器具の選定

照明の種類特徴適する場面
LED投光器省電力、長寿命、発熱が少ないメインの作業照明
ハンディライト携帯性に優れる天井裏・管路内の作業
蛍光灯ワークライト広範囲を均一に照らせる通路・広いスペース

照明の配置計画

仮設照明の配置は、以下のポイントに留意して計画します。

  • 作業面に影ができないよう、複数方向から照射
  • 作業者の目線の高さに光源を置かない(眩しさ防止)
  • 転倒防止のため、スタンド式の安定した器具を使用
  • 水気のある場所では防水仕様の器具を使用
  • 照明器具自体が作業の邪魔にならない設置位置の確保

仮設事務所・資材置場の計画

仮設事務所

電気工事単独で仮設事務所を設置する場合は少なく、通常は元請の仮設事務所を共用します。ただし、以下は電気工事業者として計画・管理する必要があります。

  • 設計図面・施工計画書の保管場所
  • 計測器・工具の保管場所(施錠管理)
  • 安全書類・日報の記録場所

資材置場

電気設備の資材は種類が多いため、整理整頓のルールが重要です。

  • ケーブルドラムの置場(転倒防止措置を講じる)
  • 配管材の分類保管(サイズ・種類別に整理)
  • 器具類の保管(梱包のまま保管し、取付直前に開梱)
  • 盤類の仮置き場所(養生して水濡れ・破損を防止)

仮設設備の撤去計画

施工計画書には、仮設設備の撤去時期と方法も記載します。

仮設設備撤去時期注意点
仮設電源本設電源への切替後切替時の停電計画を事前に調整
仮設照明本設照明の点灯確認後暗所作業が発生しないよう段階的に撤去
仮設分電盤全仮設配線の撤去後最後に撤去、撤去後の電源確保を確認

まとめ

仮設計画は、工事の安全と効率を支える基盤です。特に仮設電源の容量計算と仮設照明の照度確保は、電気工事の品質に直結します。漏電遮断器の設置や仮設配線の定期点検など、安全対策も漏れなく計画に盛り込みましょう。

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