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施工計画書の作成を効率化するツール比較5選

施工計画書の作成を効率化するツール比較5選

施工計画書の作成にはなぜ時間がかかるのか

施工計画書の作成に、ベテラン技術者でも1件あたり40〜80時間を要するのは珍しいことではありません。その原因は主に以下の3つです。

  1. 毎回ゼロに近い状態から書き始める: 過去の計画書をコピーしても、現場条件に合わせた修正に大量の時間がかかる
  2. 記載項目が多い: 工事概要、工程表、施工方法、安全管理、品質管理、環境対策…と多岐にわたる
  3. 法令・規格の確認が必要: 管理値の根拠となる法令・基準の確認に手間がかかる

こうした課題を解決するために、さまざまなツール・サービスが登場しています。本記事では5つのタイプを比較します。

タイプ別の比較

タイプ1: テンプレート販売サイト

過去の施工計画書のひな形をExcel/Word形式で販売するサービスです。

代表的なサービス

  • 施工屋ドットコム
  • 現場ファーストドットコム

特徴

項目内容
価格帯1テンプレート1,000〜5,000円程度
形式Excel/Word(編集可能)
工種カバー電気設備、建築、土木など幅広い
カスタマイズ性ファイルを直接編集するため自由度が高い

メリット

  • 初期費用が安い
  • ベースとなる書類構成を素早く把握できる
  • 自社に合わせて自由に編集できる

デメリット

  • 結局、現場条件に合わせた大幅な修正が必要
  • テンプレートの品質にばらつきがある
  • 法令改正への追従は自社で対応が必要

向いている会社: 初めて施工計画書を作成する会社、基本構成を参考にしたい会社

タイプ2: 施工管理アプリの書類作成機能

ANDPADやSPIDERPLUSなどの施工管理アプリには、書類作成機能が含まれているものがあります。

特徴

項目内容
価格帯月額数千円〜数万円(アプリ利用料に含まれる)
形式アプリ内で入力・PDF出力
他機能との連携工程管理・写真管理と連携できるものもある
カスタマイズ性テンプレートの編集範囲が限定的な場合がある

メリット

  • 施工管理の他機能と一体で使える
  • 現場の情報を書類に反映しやすい
  • 複数現場のデータを一元管理できる

デメリット

  • 施工計画書に特化した機能は限定的なことが多い
  • 書類のフォーマット自由度が低い
  • 月額コストが継続的にかかる

向いている会社: すでに施工管理アプリを導入している、または導入予定の会社

タイプ3: 書類作成代行サービス

施工計画書の作成を外部の専門業者に委託するサービスです。

特徴

項目内容
価格帯1件10万〜50万円程度(工事規模による)
納期通常2〜4週間
品質専門のライターが作成するため安定
カスタマイズ性ヒアリングに基づきオーダーメイドで作成

メリット

  • 自社の工数をほぼゼロにできる
  • 専門家が作成するため品質が安定
  • 繁忙期のスポット利用に適している

デメリット

  • コストが高い
  • 現場の細部まで外部業者が把握するのは困難
  • 毎回ヒアリングが必要で、納品後の修正にも時間がかかる
  • 社内にノウハウが蓄積されない

向いている会社: 繁忙期の一時的な外注先が必要な会社、高品質な施工計画書が求められる大型案件

タイプ4: AI書類作成ツール

工事概要や条件を入力すると、AIが施工計画書の骨子を自動生成するツールです。

特徴

項目内容
価格帯月額数千円〜数万円
生成速度数分〜数十分で骨子が完成
品質過去データの蓄積量とAIの精度に依存
カスタマイズ性生成後に自由に編集可能

メリット

  • 骨子作成の時間を劇的に短縮(ゼロ→たたき台が数分)
  • 記載漏れのリスクが減る(AIが必要項目を網羅)
  • 若手でも一定品質の施工計画書を作成できる
  • 使うほど精度が向上するものもある

デメリット

  • AIの出力をそのまま使うことはできない(人による確認・修正が必要)
  • 現場固有の特殊条件はAIが把握できない
  • 導入初期はAIの出力精度が低い場合がある

向いている会社: 施工計画書の作成頻度が高い会社、ベテラン不足で若手の底上げが必要な会社

タイプ5: 自社テンプレートの構築

過去の優良施工計画書をベースに、自社専用のテンプレート体系を構築する方法です。

特徴

項目内容
初期コスト人件費のみ(構築に数十〜百時間)
ランニングコストなし(法令改正時の更新コストのみ)
品質自社のベテランの知見が反映される
カスタマイズ性完全に自社仕様

メリット

  • 自社の施工スタイルに最適化されたテンプレートが作れる
  • ベテランの知見が形式知として残る
  • 外部コストがかからない

デメリット

  • 構築に大きな初期工数がかかる
  • ベテランが構築に関わる必要がある(本来業務との兼ね合い)
  • 法令改正や新技術への対応が属人化しやすい
  • テンプレートの管理(バージョン管理)が必要

向いている会社: 施工計画書の作成件数が多い中堅以上の会社、ベテランの退職前にノウハウを残したい会社

5タイプの比較まとめ

タイプ初期コスト月額コスト作成時間短縮品質安定性若手活用
テンプレート販売○(安い)なし△(修正に時間)
施工管理アプリ
代行サービス×(高い)案件ごと◎(自社工数ゼロ)×
AI生成ツール
自社テンプレート△(工数大)なし

選び方のポイント

年間の施工計画書作成件数で選ぶ

作成件数おすすめ
年3件以下テンプレート販売 or 代行サービス
年4〜10件AI生成ツール or 自社テンプレート
年10件以上AI生成ツール + 自社テンプレートの組み合わせ

社内のリソースで選ぶ

  • ベテランが多い会社: 自社テンプレートの構築がおすすめ。ノウハウの形式知化も同時に実現
  • 若手中心の会社: AI生成ツールがおすすめ。骨子をAIが作り、若手が現場条件に合わせて修正する体制
  • 人手不足で作成時間がない会社: 代行サービスで工数をゼロにし、コア業務に集中

まとめ

施工計画書の作成効率化は、一つの方法に限定する必要はありません。自社テンプレートをベースにしつつ、AIツールで骨子作成を加速し、大型案件では代行サービスを併用する、といった組み合わせが最も実践的です。

まずは自社の年間作成件数とリソースを棚卸しして、最適なアプローチを選択してみてください。

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