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施工体制台帳の書き方と記載例【電気工事業者向け】

施工体制台帳の書き方と記載例【電気工事業者向け】

施工体制台帳とは

施工体制台帳は、工事に関わるすべての業者(元請・下請・孫請)の施工体制を一覧にまとめた書類です。建設業法第24条の8に基づき、下請契約の総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の場合に作成が義務付けられています。

ただし、公共工事では金額に関わらずすべての工事で施工体制台帳の作成が必要です(入契法第15条)。電気設備工事で公共工事を受注する場合は、ほぼ確実に作成することになります。

施工体制台帳に記載する項目

元請業者の情報

記載項目内容注意点
会社名・所在地登記上の正式名称略称は不可
建設業許可番号電気工事業の許可番号有効期限内であること
現場代理人氏名・権限・連絡先常駐義務の有無を確認
監理技術者/主任技術者氏名・資格・専任/兼任の別資格証の写しを添付
安全衛生責任者氏名・連絡先元請が特定元方事業者の場合は統括安全衛生責任者

下請業者の情報

下請業者ごとに以下を記載します。

記載項目内容
会社名・所在地・代表者登記上の正式名称
建設業許可番号許可を受けている業種と番号
工事の内容請け負った工事の具体的な内容
工期下請工事の着手日・完了日
下請契約金額請負代金額(消費税込み)
主任技術者氏名・資格・専任/兼任の別
安全衛生責任者氏名・連絡先
社会保険の加入状況健康保険・厚生年金・雇用保険

添付すべき書類

  • 下請契約書の写し
  • 監理技術者資格者証の写し(該当者のみ)
  • 主任技術者の資格証明書の写し
  • 社会保険の加入証明書

電気設備工事の施工体制の特徴

電気設備工事では、以下のような下請構成になることが多いです。

元請(電気設備工事業者)
├── 1次下請A(配管・配線工事)
├── 1次下請B(受変電設備据付)
│   └── 2次下請C(高圧ケーブル端末処理)
├── 1次下請D(防災設備工事)
└── 1次下請E(通信設備工事)

注意すべきポイント

1. 一括下請負の禁止

請け負った工事の全部または主たる部分を一括して下請に出すことは、建設業法で禁止されています。元請として実質的に施工に関与する体制を維持することが必要です。

具体的には、以下の事項を自社で行っていることが求められます。

  • 施工計画の作成
  • 工程管理
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 技術的指導

2. 技術者の配置要件

元請の下請総額必要な技術者専任要件
4,500万円未満主任技術者請負金額4,000万円以上で専任
4,500万円以上監理技術者原則専任

下請業者にも主任技術者の配置が必要です。元請の監理技術者と下請の主任技術者は兼任できません

3. 社会保険の加入確認

2020年10月以降、社会保険未加入の業者は建設業許可の更新ができなくなりました。下請業者を選定する際にも、社会保険の加入状況を必ず確認し、施工体制台帳に記載します。

施工体系図の作り方

施工体系図は、施工体制台帳の内容を図式化したものです。現場の見やすい場所に掲示する義務があります。

記載内容

各業者について以下を記載します。

  • 会社名
  • 工事内容
  • 主任技術者の氏名
  • 安全衛生責任者の氏名

掲示場所

  • 工事現場の出入口付近
  • 事務所内の見やすい場所
  • 公共工事の場合は公衆から見やすい場所にも掲示

更新のタイミング

施工体系図は、以下の変更があった場合に速やかに更新します。

  • 下請業者の追加・変更
  • 技術者の交代
  • 工事内容の変更

記載例

施工体制台帳の記載例(元請部分)

作成建設業者の概要

商号: ○○電気工事株式会社 所在地: ○○県○○市○○町1-2-3 代表者: 代表取締役 ○○ ○○ 建設業許可: ○○県知事許可(特-○)第○○○○号(電気工事業) 許可有効期間: 2025年4月1日〜2030年3月31日

現場代理人 氏名: ○○ ○○ 権限: 請負代金額の変更を除く一切の権限

監理技術者 氏名: ○○ ○○ 資格: 1級電気工事施工管理技士(第○○○○号) 専任の有無: 専任

施工体制台帳の記載例(下請部分)

下請負人の概要

商号: ○○電設株式会社 所在地: ○○県○○市○○町4-5-6 建設業許可: ○○県知事許可(般-○)第○○○○号(電気工事業)

工事の内容: 2階〜5階の電灯コンセント配管配線工事 工期: 2026年5月1日〜2026年8月31日 請負代金額: 金○○○○万円(消費税込み)

主任技術者 氏名: ○○ ○○ 資格: 2級電気工事施工管理技士(第○○○○号) 専任の有無: 非専任

施工体制台帳の管理と更新

保管期間

施工体制台帳は、工事完了後5年間の保管が義務付けられています(建設業法施行規則第14条の7)。営業に関する図書として、適切に保管・管理しましょう。

変更時の対応

工事中に施工体制に変更が生じた場合は、速やかに以下を実施します。

  1. 施工体制台帳の修正
  2. 施工体系図の更新・掲示
  3. 発注者への変更通知(公共工事の場合)

デジタル管理のすすめ

施工体制台帳の管理は、紙ベースでは更新の手間が大きくなります。クラウドツールや専用ソフトで管理すれば、変更時の更新や検索が容易になります。下請業者の情報をマスターデータとして登録しておけば、新しい工事での台帳作成も効率化できます。

まとめ

施工体制台帳は、工事に関わるすべての業者の施工体制を透明化するための重要書類です。特に公共工事では金額に関わらず作成が必要であり、記載の正確性と最新性が求められます。

技術者の配置要件や社会保険の加入確認など、法令で定められた要件を確実に満たし、工事中の変更にも迅速に対応できる管理体制を構築しましょう。

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