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漏電調査の対応時間を半減させた仕組みづくり|D電設工業株式会社様
導入前の課題
D電設工業株式会社様(従業員11名・京都市)は、住宅・店舗・小規模ビルの電気工事と保守を手がける会社です。漏電調査の対応業務に関して以下の課題を抱えていました。
- 漏電の緊急連絡に対する初動対応に時間がかかる(平均2時間以上)
- 原因調査のやり方が担当者ごとに異なり、調査に要する時間にバラつきがある
- 漏電原因が特定できず何度も現場に行くケースが年数回発生していた
- 過去の調査記録が整理されておらず、同じ建物で再発した場合の参考情報がない
- 若手社員が漏電調査に不慣れで、ベテランに業務が集中していた
「漏電の問い合わせが入ると、ベテランの田中が対応するしかない状態でした。田中が別の現場にいると、お客様を何時間もお待たせしてしまうこともありました。」
-- D電設工業株式会社 代表取締役 藤田様
改善の取り組み
調査手順の標準化と、過去の調査データベースの構築に取り組みました。
取り組みの全体像
| フェーズ | 実施内容 | 期間 |
|---|---|---|
| ヒアリング | ベテラン社員の調査手順をヒアリング・文書化 | 2週間 |
| 標準化 | 漏電調査チェックリストの作成 | 2週間 |
| DB構築 | 過去3年分の調査記録をExcelにDB化 | 1ヶ月 |
| 教育 | 若手社員への調査手法の研修 | 2週間 |
活用のポイント
漏電調査チェックリストの導入
ベテラン社員の知見を体系化し、以下のステップで調査を行うチェックリストを作成しました。
| ステップ | 作業内容 | 使用機器 |
|---|---|---|
| 1 | 主幹ブレーカーの絶縁抵抗測定 | 絶縁抵抗計 |
| 2 | 分岐回路ごとの絶縁抵抗測定 | 絶縁抵抗計 |
| 3 | 問題回路の負荷を1つずつ外して絞り込み | 絶縁抵抗計 |
| 4 | 原因箇所の特定と状況記録 | カメラ |
| 5 | 修理・交換と復旧確認 | 各種工具 |
よくある原因パターンのDB化
過去3年分の漏電調査記録を分析し、原因パターンを分類しました。
| 原因カテゴリ | 発生割合 | 典型的な事例 |
|---|---|---|
| 機器の経年劣化 | 40% | エアコン・給湯器の絶縁低下 |
| 水濡れ | 25% | 雨漏り・結露による配線の水濡れ |
| 配線の損傷 | 20% | ネズミ被害・釘打ちによる損傷 |
| 接続不良 | 10% | 端子の緩み・接触不良 |
| その他 | 5% | 仮設配線の不良など |
このDBを参照することで、建物の種類や症状から原因の見当をつけやすくなりました。
導入後の成果
| 指標 | 改善前 | 改善後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 初動対応時間 | 平均2時間 | 平均50分 | 58%短縮 |
| 調査時間(現場到着後) | 平均90分 | 平均45分 | 50%短縮 |
| 再訪問率 | 年5〜6回 | 年1回 | 80%削減 |
| 対応可能社員数 | 2名 | 5名 | 2.5倍 |
ご担当者様の声
「チェックリストがあることで、若手社員も自信を持って漏電調査に臨めるようになりました。お客様への対応時間が短くなったことで、緊急対応の依頼も増えています。」
— D電設工業株式会社 代表取締役 藤田様
「原因パターンのデータベースが本当に役立っています。建物の種類と症状から"まずここを疑おう"と当たりをつけられるので、調査時間が大幅に短縮できました。先輩のノウハウが形になったのは大きいです。」
— D電設工業株式会社 工事部 入社4年目 中村様
まとめ
漏電調査は電気工事会社にとって重要な緊急対応業務です。調査手順の標準化と過去データの活用により、対応時間の短縮と若手の育成を同時に実現できます。特に小規模な会社では、属人化の解消が経営リスクの軽減に直結します。
