業務改善事例約6分で読めます
材料の在庫管理を見える化してロスを年間200万円削減|S電設工業株式会社様
導入前の課題
S電設工業株式会社様(従業員17名・静岡県)は、工場・商業施設の電気設備工事を主力とする会社です。材料の在庫管理に以下の課題を抱えていました。
- 倉庫にある材料の在庫数量を誰も正確に把握していなかった
- 「あると思っていた材料がない」ために、現場で作業が止まることが月に2〜3回発生
- 逆に、「ないと思って発注した材料が実は余っていた」ことによる二重発注が頻発
- 使いかけのケーブルや端材が倉庫に大量に残り、使われないまま劣化して廃棄
- 年末の棚卸しで、帳簿と実際の在庫が大きく乖離しており、差額が年間200万円以上
「倉庫を見ると材料であふれているのに、現場で必要な材料がないという矛盾。在庫のコントロールがまったくできていませんでした。」
— S電設工業株式会社 代表取締役 杉山様
導入/改善の経緯
バーコード管理+Googleスプレッドシートで在庫管理の仕組みを構築しました。
導入の流れ
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 1ヶ月目 | 倉庫の全材料を棚卸し。品目・数量・保管場所を記録 |
| 2ヶ月目 | 主要材料約100品目にバーコードラベルを貼付。バーコードリーダーを2台購入 |
| 3ヶ月目 | Googleスプレッドシートで在庫管理表を作成。入出庫の記録を開始 |
| 4ヶ月目以降 | 運用を定着させつつ、管理対象品目を拡大 |
仕組みの構成
| 要素 | 内容 | コスト |
|---|---|---|
| バーコードラベル | 材料の棚にバーコード付きラベルを貼付 | ラベルプリンター約2万円 |
| バーコードリーダー | スマホ接続型のBluetoothリーダー | 約1万円/台 x 2台 |
| Googleスプレッドシート | 在庫数量・入出庫記録・発注点を管理 | 無料 |
| スマホ | バーコード読み取り+スプレッドシート入力 | 既存のスマホを使用 |
活用のポイント
- 入出庫の都度記録: 材料を倉庫から出す時・入れる時にバーコードを読み取り、スプレッドシートに記録。「後でまとめて記録」は禁止
- 発注点の設定: 主要材料に「この数量を下回ったら発注」という発注点を設定。スプレッドシートの条件付き書式で在庫が発注点を下回ると赤色で表示
- ロケーション管理: 倉庫内の保管場所を番号で管理(A棚1段目=A-1)。スプレッドシートに保管場所を記録し、「どこにあるか分からない」を解消
- 月次の在庫レポート: 月末にスプレッドシートから在庫金額・回転率を集計し、経営会議で報告
導入後の成果
| 項目 | 改善前 | 改善後 |
|---|---|---|
| 在庫数量の把握精度 | 不明 | 95%以上 |
| 材料切れによる作業停止 | 月2〜3回 | ほぼゼロ |
| 二重発注の発生 | 月3〜5回 | 月0〜1回 |
| 倉庫の材料廃棄額 | 年間約150万円 | 年間約30万円 |
| 棚卸しの帳簿差額 | 年間200万円以上 | 年間20万円以下 |
| 在庫金額の削減 | — | 約30%削減 |
ご担当者様の声
「バーコードとスプレッドシートだけで、こんなに変わるとは思いませんでした。以前は倉庫に行って目で確認するしかなかったのが、スマホで在庫を見られるようになったので、現場から発注の判断ができるようになりました。」
— S電設工業株式会社 代表取締役 杉山様
「材料を探す時間がなくなったのが一番嬉しいです。以前は倉庫の中を30分も探し回ることがありましたが、今はスプレッドシートで保管場所を確認してすぐに見つけられます。」
— S電設工業株式会社 倉庫管理担当 伊藤様
まとめ
バーコード管理+Googleスプレッドシートという初期投資約5万円の仕組みで、材料在庫の見える化を実現。年間200万円以上の在庫ロスを大幅に削減しました。高額な在庫管理システムを導入しなくても、「入出庫を記録する」という基本を徹底するだけで、在庫管理は劇的に改善できます。
関連するコラム記事もご覧ください。
