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電気工事の外注管理を仕組み化して利益率5%改善|R電気工業株式会社様
導入前の課題
R電気工業株式会社様(従業員22名・広島県)は、中規模オフィスビル・商業施設の電気設備工事を主力とする会社です。外注(協力会社)の管理に以下の課題を抱えていました。
- 協力会社の選定は社長と現場監督の記憶と人脈に依存。「いつもの会社に頼む」が常態化
- 外注費の妥当性を検証せず、言い値で発注しているケースが多かった
- 同じ作業内容でも、担当する現場監督によって発注先・発注金額が異なっていた
- 協力会社の品質にばらつきがあり、一部の会社で手直し工事が頻発
- 外注費が工事原価の50〜60%を占めるにもかかわらず、管理体制が整っていなかった
「年間の外注費が1億円を超えているのに、どの会社にいくら払っているか、品質はどうかという管理がまったくできていませんでした。正直、どこにお金が漏れているか分からない状態でした。」
— R電気工業株式会社 代表取締役 渡辺様
導入/改善の経緯
高額なシステムを導入する予算はなかったため、Excelと運用ルールの整備で外注管理を仕組み化しました。
改善の流れ
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 1ヶ月目 | 過去2年分の外注実績を洗い出し、協力会社ごとの発注金額・工種・品質を一覧化 |
| 2ヶ月目 | 「協力会社評価シート」と「発注単価表」をExcelで作成 |
| 3ヶ月目 | 新しい発注ルールを全現場監督に説明し、試験運用を開始 |
| 4〜6ヶ月目 | 四半期ごとに協力会社の評価を実施。発注単価表を更新 |
作成したExcel管理ツール
| ツール名 | 内容 |
|---|---|
| 協力会社マスタ | 会社名、代表者、連絡先、対応工種、保有資格、保険加入状況を一覧化 |
| 発注単価表 | 作業内容ごとの標準単価を設定(例: 配管工事○○円/m、器具取付○○円/台) |
| 協力会社評価シート | 品質・納期・価格・安全管理・コミュニケーションの5項目を5段階評価 |
| 発注実績管理表 | 工事ごとの外注先・発注金額・実績を記録 |
活用のポイント
- 発注前の見積比較を義務化: 50万円以上の外注は、最低2社から見積りを取得するルールを設定
- 標準単価との乖離チェック: 発注単価表の標準単価と比較し、15%以上の乖離がある場合は社長承認を必要とした
- 四半期ごとの協力会社評価: 品質・納期・価格・安全・対応力の5項目を現場監督が評価し、次回以降の発注判断に活用
- 優良協力会社への優先発注: 評価の高い会社から優先的に発注する仕組みを導入
導入後の成果
| 項目 | 改善前 | 改善後 |
|---|---|---|
| 外注費の対売上比率 | 58% | 53% |
| 工事粗利益率 | 18% | 23% |
| 手直し工事の発生率 | 月3〜4件 | 月1件以下 |
| 外注の見積比較実施率 | ほぼ0% | 80%以上 |
| 協力会社との単価交渉 | なし | 年2回実施 |
| 年間の利益改善額 | — | 約800万円 |
ご担当者様の声
「特別なシステムを入れたわけではなく、Excelと運用ルールを整備しただけですが、効果は絶大でした。今まで『いつもの会社に頼んでおいて』で済ませていたのが、いかにもったいなかったかが数字で分かりました。」
— R電気工業株式会社 代表取締役 渡辺様
「協力会社の評価を始めたことで、品質の良い会社と悪い会社が明確になりました。評価の低い会社には改善を依頼し、それでも改善しない場合は発注を減らすようにしています。結果的に手直し工事が減り、現場の負担も軽くなりました。」
— R電気工業株式会社 工事部長 山本様
まとめ
Excelと運用ルールの整備というローコストな取り組みで、外注管理を仕組み化し、利益率を5ポイント改善。年間約800万円の利益改善を実現しました。外注費は工事原価の大きな割合を占めるため、ここを「見える化」するだけで大きな経営改善効果が得られます。
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