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建設業向け会計ソフトの選び方|工事台帳連携がカギ
なぜ建設業には専用の会計ソフトが必要なのか
一般的な会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)でも記帳や申告は可能です。しかし、建設業には以下のような業界特有の会計処理があり、汎用ソフトだけでは対応が難しいケースがあります。
| 建設業特有の要件 | 内容 |
|---|---|
| 工事別原価管理 | 工事ごとに材料費・労務費・外注費・経費を集計 |
| 工事進行基準 | 工事の進捗に応じて売上を計上する基準(収益認識基準) |
| 未成工事支出金 | 完成前の工事にかかった費用の資産計上 |
| 完成工事高 | 一般企業の「売上高」に相当する建設業特有の勘定科目 |
| JV(共同企業体)会計 | JV工事の持分に応じた会計処理 |
| 経審(経営事項審査)対応 | 経審に必要な財務諸表の作成 |
特に電気工事会社の場合、複数の現場が同時並行で進むため、工事ごとの原価をリアルタイムに把握できる仕組みが経営上不可欠です。
建設業向け会計ソフトの比較
| 項目 | 建設大臣 | MJSかんたん!建設業会計 | 勘定奉行(建設業) | どっと原価NEO | freee(建設業向け) |
|---|---|---|---|---|---|
| 開発元 | 応研 | ミロク情報サービス | OBC | ピクシス | freee |
| 価格帯 | 中〜高 | 中 | 中〜高 | 中 | 月額制 |
| 工事別原価管理 | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
| 工事台帳 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △ |
| 経審対応 | ◎ | ○ | ◎ | ○ | △ |
| JV会計 | ◎ | △ | ○ | ○ | △ |
| クラウド対応 | △ | △ | ○ | ○ | ◎ |
| 操作の簡単さ | △ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 税理士との連携 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
選定の5つのポイント
1. 工事台帳との連携
工事台帳は、工事ごとの受注金額・原価・利益を一覧管理する帳票です。会計ソフトと工事台帳が連動していれば、仕訳入力と同時に工事台帳が更新され、二重入力の手間がなくなります。
| 連携パターン | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 会計ソフトに工事台帳が内蔵 | データが自動連動。二重入力なし | 工事台帳の柔軟性がやや低い場合がある |
| 工事台帳ソフトと会計ソフトをAPI連携 | 各ソフトの強みを活かせる | 連携設定が必要。対応ソフトが限られる |
| Excelの工事台帳と手動連携 | コストが低い | 二重入力が必要。ミスが発生しやすい |
2. 工事別原価管理の粒度
| 管理レベル | 内容 | 適した会社 |
|---|---|---|
| 工事別 | 工事ごとの原価を集計 | 小規模(年間20件以下) |
| 工事別+工種別 | 電気・通信・防災など工種ごとに原価を分類 | 中規模(年間20〜50件) |
| 工事別+工種別+月次 | 月ごとの原価推移も把握 | 大規模・元請工事中心 |
3. 経審(経営事項審査)への対応
公共工事を受注する会社にとって、経審対応は必須です。会計ソフトから建設業財務諸表を直接出力できるかを確認してください。
| 経審対応機能 | 内容 |
|---|---|
| 建設業財務諸表の自動作成 | 一般の財務諸表から建設業用に自動変換 |
| 完成工事高の集計 | 工種別・発注者別に完成工事高を集計 |
| 技術者情報との連携 | CPD取得状況やCCUS登録状況の管理 |
4. クラウド対応
| 比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低い(月額制) | 高い(ソフト購入) |
| アクセス | どこからでも可能 | 社内PCのみ |
| バックアップ | 自動 | 手動で実施が必要 |
| カスタマイズ性 | やや低い | 高い |
| セキュリティ | ベンダー管理 | 自社管理 |
5. 税理士・会計事務所との連携
多くの中小電気工事会社は税理士に記帳代行や決算を依頼しています。税理士が使い慣れたソフトを選ぶと、データのやり取りがスムーズです。
導入の流れ
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 要件整理 | 工事件数、管理したい項目、予算を整理 | 1週間 |
| 2. 税理士への相談 | 推奨ソフトや連携方法を確認 | 1〜2日 |
| 3. デモ・トライアル | 2〜3候補のデモを受ける | 2〜4週間 |
| 4. 導入・初期設定 | 勘定科目・工種マスタの設定 | 1〜2週間 |
| 5. 並行運用 | 従来の方法と並行して運用 | 1〜3ヶ月 |
| 6. 本格運用 | 新ソフトに完全移行 | — |
まとめ
建設業向け会計ソフトを選ぶ最大のポイントは、工事台帳との連携です。工事ごとの原価をリアルタイムに把握できる体制を構築することで、赤字工事の早期発見や利益率の改善につながります。経審対応や税理士との連携も考慮し、自社の規模と業務内容に合ったソフトを選びましょう。
