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見積作成時間を半分に短縮した積算データベースの活用|M設備工業株式会社様

見積作成時間を半分に短縮した積算データベースの活用|M設備工業株式会社様

導入前の課題

M設備工業株式会社様(従業員30名・神奈川県)は、オフィスビル・マンション・公共施設の電気設備工事を手掛ける会社です。見積・積算業務に以下の課題を抱えていました。

  • 見積作成はベテラン2名に集中しており、繁忙期には見積の回答が1〜2週間遅れることがあった
  • 過去の見積データがベテランのPCローカルに散在しており、他の社員が参照できなかった
  • 同じような工事内容でも、担当者によって積算額に10〜20%の差が出ることがあった
  • 材料単価の更新が手動で、古い単価のまま見積を作成してしまうミスが年に数回発生
  • 見積1件あたりの作成時間が平均3〜5日かかっていた

「見積の依頼が来ても、すぐに対応できない。それだけで受注の機会を逃していました。特に民間工事は、早く見積を出した会社が有利になることが多いので、スピードは死活問題でした。」

— M設備工業株式会社 代表取締役 松本様

導入/改善の経緯

高額な積算ソフトの導入は見送り、Excelベースの自社積算データベースを構築しました。

構築の流れ

時期内容
1ヶ月目過去3年分の見積データ(約200件)を収集し、工種・規模・単価を分析
2ヶ月目工種別の「標準単価マスタ」と「歩掛りマスタ」をExcelで作成
3ヶ月目見積テンプレート(工種別)を10パターン作成
4ヶ月目全積算担当者にデータベースの使い方を研修
5ヶ月目以降新しい見積データを完工時にデータベースへ反映する運用を開始

構築したデータベースの構成

ファイル名内容
材料単価マスタ主要材料約500品目の最新単価。四半期ごとに更新
歩掛りマスタ作業内容別の標準歩掛り。自社の実績ベースで設定
見積テンプレート工種別(照明、幹線、弱電等)の見積ひな形
実績データベース完工した工事の実績単価・歩掛りを蓄積
単価比較表実績単価と標準単価の乖離を可視化

活用のポイント

  1. 類似案件の検索: 新しい見積依頼が来たら、まず実績データベースで類似案件を検索。過去の見積をベースに修正する方法で、ゼロから積算する手間を大幅に削減
  2. 標準単価の自動参照: 見積テンプレートに材料単価マスタをVLOOKUP関数で連動させ、品番を入力するだけで最新単価が自動反映される仕組みを構築
  3. 実績との差異分析: 完工後に実績原価と見積額を比較し、乖離が大きい項目を分析。次回以降の積算精度に反映
  4. 若手への権限委譲: データベースがあることで、若手でも一定品質の見積が作成可能に。ベテランはチェック役に回れるようになった

導入後の成果

項目改善前改善後
見積作成時間(平均)3〜5日/件1〜2日/件
見積作成可能な社員2名5名
見積の回答スピード依頼後1〜2週間依頼後3〜5日
担当者間の積算額のばらつき10〜20%5%以内
材料単価の更新漏れ年に数回ほぼゼロ
見積精度(実績との乖離)平均15%平均8%

ご担当者様の声

「データベースを作ったことで、見積が『職人技』から『仕組み』に変わりました。以前は『この工事は大体このくらい』という感覚的な積算でしたが、今は過去のデータに基づいた根拠のある数字が出せます。」

— M設備工業株式会社 代表取締役 松本様

「若手の自分でも、データベースを使えば先輩と同じレベルの見積が作れるようになりました。特に類似案件の検索機能が便利で、ゼロから考える時間が大幅に減りました。」

— M設備工業株式会社 工事部 小林様

まとめ

Excelベースの積算データベースを自社で構築し、見積作成時間を約50%短縮。積算精度も向上し、担当者間のばらつきも大幅に改善されました。特別なソフトを導入しなくても、過去の見積データを「使える形」に整理するだけで、見積業務は大きく効率化できます。

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