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非常用照明装置の設置基準と設計ポイント
非常用照明装置の設置義務と対象建物
非常用照明装置は、建築基準法施行令第126条の4に基づき設置が義務づけられる防災設備です。停電時に避難経路を照らし、安全な避難を確保する役割を担います。
設置が必要な建物は以下のとおりです。
- 特殊建築物で延べ面積が一定以上のもの
- 3階以上の階を有する建物で延べ面積500平方メートル超
- 居室の床面積が100平方メートル超の無窓居室
- 延べ面積1,000平方メートル超の建物の居室
設置場所は居室および避難経路(廊下・階段・通路)が対象となります。
照度基準と電源方式の選定
非常用照明の照度基準は、床面において水平面照度1ルクス以上(蛍光灯の場合は2ルクス以上)を確保することが求められます。LED光源の場合も1ルクス以上が基準です。
電源方式は大きく2つに分類されます。
| 電源方式 | 特徴 | 適用 |
|---|---|---|
| 蓄電池内蔵型 | 器具に電池を内蔵 | 小規模建物・分散配置 |
| 電源別置型 | 蓄電池設備から一括給電 | 大規模建物・集中管理 |
蓄電池内蔵型はJIL5501の認定品を使用し、点灯時間は30分以上が必要です。電源別置型は蓄電池設備から耐火配線で接続し、自動切替装置により停電時に瞬時に切り替わる構成とします。
設計・施工のポイント
非常用照明の設計では、照度計算ソフトを活用して器具の配置と台数を決定します。天井高や器具の配光特性によって必要台数が変わるため、メーカーの技術資料を参考に正確な計算を行うことが大切です。
配線は耐火電線(FP-C)または耐熱電線(HP)を使用し、一般配線と区分して施工します。耐火区画の貫通部には国土交通大臣認定の防火措置を施す必要があります。
竣工時には全器具の点灯確認、非常点灯への切替試験、照度測定を行い記録を残します。
まとめ
非常用照明装置は人命に関わる重要な防災設備です。火災報知設備の施工やLED照度計算の基礎、停電作業の安全対策もあわせてご確認ください。
